お久しぶりです
お久しぶりです。
長らく情報発信をせずに、粛々と生きておりました。
気づけば長い時間が経過していたので、これまでを振り返りつつ今後の取り組みについてを書き綴られればと思います。
トリクルの終了
自身が経営するSpice社で1番長くサービスを運営し、エクイティファイナンスをして多くのメンバーと共に取り組んだのが、トリクルというフリマサービスへの商品出品代行サービスでした。
毎日山ほどの商品が届き、皆でせっせと出品をしていたのが懐かしく思います。
当時の自分にはトリクルをうまく経営する力がなく、2020年7月頃にサービスを終了する運びとなりました。
サービス終了後も決して良い経営状態ではありませんでしたが、エクイティファイナンスをしている以上「なんとでも再起しなければこれまで支えてくださった株主に顔向けできない」という気持ちがあり、残ったメンバーと共に新事業に取り組んでいました。
Spice社を閉じる決意
しかし新事業の立ち上げはそう簡単にはいかず、次第に会社のキャッシュ体力もなくなっていきました。
キャッシュもそうですが、何より自分自身の体力、気力共に良い状態とは言えず充分なパフォーマンスが発揮できていない状況が続いており、完全に燃え尽きた状態になっていました。
結果として、2022年夏頃にSpice社を閉じる決意をしました(まだ会社の箱はあり、この会社で仕事をしております)
2014年から始めた会社に区切りをつける決断はとても重かったものの、当時の状況からスタートアップとして新たな事業を立ち上げられるイメージがなく、自身のチャレンジに終止符を打つ事となりました。
当時株主であったVC、エンジェルの皆様全員対面でお話をさせていただき、会社を閉じる旨をお伝えしました。
シードから支えてくださった方をはじめ、皆様温かい言葉をかけてくださった事を覚えています。
会社は清算に動いたものの、個人保証付きのデッドファイナンスが数千万程ある状況でした。
調達当時はスタートアップとしてスケールを目指した上でのリスクテイクではありましたが、いざこういった状況になり、改めて個人保証の重たさを実感しました。
このまま会社を清算すると個人に負債がかかり、個人として返済する場合は売上利益にかかる税金も多額となります。
会社でエクイティファイナンスを実施しており、一定の繰越欠損金のある状態だったので、
会社を清算せずに残し、Spice社として仕事を継続した方が良いという判断になりました。
一方で、自身としてはスタートアップ的なエクイティファイナンスを活用した事業を行うつもりがなかった為、このタイミングで株主の方から株式の買い戻しをいたしました。
特にVCの方は株式の保有をしているとLPへの説明責任も発生する為、双方定期的な事務コミュニケーションが発生するものの弊社がその説明に値しない事業活動を行っていても双方にとってメリットがないと思い、このような意思決定に至りました。
上記のような考えはありつつも、投資家の皆様には私から無理いった調整をしていただきまして、2022年末には買取を完了することができました。
何をやろうか
さて、こうしてスタートアップとしての活動は終了し、多額の負債を抱えた人生が始まりました。
当時は何をやりたいという気力もなく、個人/法人合計で約5,000万円程の負債がある状態でした。
決して良い状況ではありませんでしたが、創業から応援し続けてくれた株主であるANRIの佐俣 アンリさんからの教えであり、自分の中でも大事にしていた哲学として「厳しい状況で厳しい顔をしていても良い事は何も起きない」というのがあったので、出来るだけ前向きに「なんとかなるだろう」と思いながら生きていました。
幸いにも当時お仕事で関わらせていただいた企業様から自社を手伝って欲しい、という話がいくつかあったので、それらを請ける事となりました。
会社清算のプロセスの中で中々情報発信をする事もできず、自身も大変疲弊していた中でこういったお話がいただけたのは大変光栄な事でありました。
スタートアップ企業での業務支援
当初は非IT企業向けのDXコンサルティングを行っていましたが(これについてはまた今度ブログを書きます)、知人のスタートアップからのお声がけをいただき、気づけばいくつかのスタートアップでお仕事をする事となりました。
基本的には
- 新規事業の立ち上げと推進
- 既存事業のグロース戦略の設計と実行、組織マネジメント
のどちらかの依頼が多く、既存事業の状況やユーザーの動向をヒアリングしながら経営と執行が同期するような戦略、計画、組織図の調整と実行、施策の推進を行っておりました。
具体的には
- 新規事業のPM
- 既存事業のグロースチームのマネージャー
などを経験しました。
会社の一部を管掌するという事
自身の会社ではなく、別の会社の中で働くというのはまた違った景色が広がっていました。
組織が大きい事による企業としてのケイパビリティの広さと、組織で大きなチャレンジに取り組める点などが印象的でありました。
また、これまでの拙いなりの起業家や経営者としての経験も多いに活きる事があり、特に経営と執行における計画と戦略の調整や執行意思決定と推進においてはそれを実感しました。
どの会社でも「この会社における本事業部の期待と、チームがベストパフォーマンスを発揮するにはどのような意思決定、調整、実行、軌道修正が必要か」をテーマに仕事に取り組んでおります。
新規事業PM
新規事業は合計で2つのプロジェクトに携わりました。
1つは経営からマーケットやサービスコンセプトのオーダーがある状態から始まり、当該マーケットにおける顧客ヒアリングとMVPの定義、要件定義、リリース迄のPMを担当しました。
当該マーケットにおける顧客の課題を特定し、明確な課題解決を提供できる最低限の実装に真摯に向き合ったプロジェクトでした。
もう1つは、会社の状況を元に必要な新規事業を提案し、承認を経てスタートさせていただけるプロジェクトでした。
会社の経営アジェンダや中期経営計画と戦略、意思決定プロセスを把握しながらボトルネックを特定し、各部署とコミュニケーションを取りつつ戦略設計に貢献し、実際にpjtが始動できたのは感慨深く大きな経験となりました。
グロースマネージャー
別のtoC向けサブスク事業を行っている会社で、グロースチームのマネージャーを行いました。
新規ユーザーの獲得のマーケティングチームと、既存ユーザーのLTV最大化を担うチームが管掌範囲であり、配下階層まで含めると総勢40名程の部署でマネージャーを担当しました。
当時の経営テーマであるLTVの改善におけるボトルネックの特定から仮説検証の実行、そこから得た知見を元に事業戦略と中期経営計画のアップデートに尽力しました。
また、複数階層が存在する組織の中でマネージャーとしての立ち振る舞いやコミュニケーション、組織や戦略調整等をしました。
今後の取り組みについて
約1年半、様々な企業でお仕事をさせていただく中で、より多くの企業様の仕事をしたいと思うに至りました。
特に、自身がかつて起業家/経営者を経験した事のある身として、以下の点について貢献できると思っております。
- 事業グロース、戦略策定の為の仮説検証と執行
- 中計の蓋然性を高める仮説の発見と検証。検証を元にした計画と戦略のアップデート
- 既存事業のグロース戦略策定
- 既存事業の現時点での中計、戦略、P/L、顧客データから、計画と戦略のアップデート
- 経営と執行のアラインメント
- 計画、戦略を設計し、それに即した組織構成、採用、コーポレート設計の支援
- 新規事業の立ち上げ
- 中計に基づいた戦略的な新規事業の策定と実行
この辺りについて、もしご興味ある方がいらっしゃいましたらお声がけください。